中古マンション
【コロナ禍の市場動向分析】2021年 住まいの買い時を解説します!
新型コロナウイルス感染拡大による国内外の経済の停滞、緊急事態宣言の発出、ワクチン接種の進捗など、変化の激しい日々が続いています。こういった中で、住まいの買い時を探るのは、不確定要素が多く、いつ・何を・どのくらいの予算で購入すべきかの判断が難しいと考える人も多いことでしょう。
不動産市場に目を向けると、住宅ローン金利は史上最低水準を維持し、不動産価格・成約数は上昇傾向にあります。その一方で在庫物件数は減少を続けており、すぐに買い手が見つかる物件とそうでない物件の二極化が進んでいる状況と言えそうです。
この記事では、さまざまな要因が複雑に絡むコロナ禍の住まいの買い時について、住宅ローン金利の推移や不動産市場の現状を検証し、住まいの買い時を考える上でのポイントを整理してみたいと思います。
1.低水準で推移する住宅ローン金利
<表1>「フラット35」借入金利の最低値の推移
年度 | 適用金利(※) |
2011 | 2.18〜2.63% |
2012 | 1.81〜2.18% |
2013 | 1.8〜2.05% |
2014 | 1.58〜1.8% |
2015 | 1.37〜1.61% |
2016 | 0.9〜1.54% |
2017 | 1.08〜1.07% |
2018 | 1.34〜1.45% |
2019 | 1.11〜1.33% |
2020 | 1.24〜1.32% |
出典:住宅金融支援機構「フラット35」(※借入条件:借入期間が21年以上35年以下、融資率が9割以下、新機構団信付きの場合)
国内の長期金利は国債の利回りが指標となっていますが、2013〜14年以降のアベノミクスによる金融緩和で日本銀行が大量に国債を買い入れていることで、国債の利回りは長期的に低下傾向にあり、歩調を合わせるように金融機関の住宅ローンなどの金利も低水準で推移しています(表1参照)。
このアベノミクスですが、後を引き継いだ菅内閣でもこの路線を踏襲するとし、そのキーパーソンである黒田日銀総裁の2023年までの続投は既定路線となっています。大きな政策変更等が無ければ、当面は「異次元緩和」が継続すると考えられます。
2.コロナ禍でも堅調な首都圏中古マンション市況
<表2>中古マンション成約数・成約平米単価・在庫物件数の年間平均値(首都圏)
2018年 | 2019年 | 2020年 | |
成約数 | 3,101件 | 3,176件 | 2,985件 |
『中古マンションを買ってリノベーション』を検討する際の注意点とは
最近は特に新築マンションにこだわらず、中古マンションを購入してリノベーションを検討される方が増えてきました。
さまざまなメディア等でリノベーションの施工例などが紹介されているので、「あんなお部屋に住んでみたい」「自分もこだわりのリノベーションをしたい」と思う方が増えているのは当然のことかと思います。
中古マンションを購入してリノベーションすることによって、納得度の高い暮らしを手に入れる。
そんなワクワクするようなことが出来るのもリノベーションの人気の理由のひとつと言えるでしょう。
中古マンションを購入するメリットは「中古マンションの購入をおすすめする4つの理由」で書いてある通りですが、購入とあわせてリノベーションを検討している方へ、いくつかの注意点をお伝えしておきます。
1. リノベーションのこだわりを整理しよう
メディアに掲載されるリノベーションされた室内の写真は、どれもこだわりがあってデザインも素晴らしいお部屋ばかりです。
もちろん費用をかければ誰もが羨むような室内に出来るのがリノベーションの魅力でもありますが、値上がりの続く中古マンションの購入金額と併せると大変高額なお買い物になりますので、冷静な判断が必要です。
一昔前までは、リノベーション費用は住宅ローンに組み入れることが出来ず、金利の高いリフォームローンを別に組む必要があったのですが、現在ではリフォーム(リノベーション)費用も住宅ローンに組み入れることができるようになりました。
住宅ローンの現在の金利は安いこともあって、ついつい背伸びをした判断をしがちです。
そこは今後の金利推移やライフプランを踏まえて、しっかりとした返済計画を立てたうえで冷静に判断をする必要があります。
特にリノベーションの費用は、水回り商品のグレードをアップしたり、材質やデザインにこだわりだすとあっという間に金額が嵩んでしまいます。
物件探しと同様に、リノベーションのこだわる部分の優先順位をきちんと整理をして取捨選択していかないと、物件価格との総予算が当初よりオーバーしてしまい、振り出しに戻ってしまう事も。
そんなことの繰り返しで結論が先延ばしになってしまい、なかなか購入に踏み切れない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
現在所有しているご自宅をリノベーションするのと違って、物件購入とリノベーションをセットで考える場合には、購入する物件の状況によってリノベーションの費用も変わってきますので、専門家の意見も聞きながら前もって優先順位を整理していきましょう。
2. 購入からリノベーションまでをワンストップで提案できる会社を選ぶ
中古マンションの購入からリノベーションまでは、さまざまなハードルをクリアしていかなければいけませんので、会社選びも重要となってきます。
昨今では空前のリノベーションブームによって、中古物件の購入からリノベーションまでをワンストップで提案する会社も増えてきました。
物件探しは不動産仲介会社。リノベーションは工務店やリフォーム会社、などと分けて考えると、人気のエリアではスピード感に欠けてしまい、せっかく買いたいと思った物件が見つかっても、買い逃してしまう可能性もあります。
その点、物件探しからリノベーションまでをワンストップで提案できる会社ですと、物件ご案内時にリノベーションのおおまかな予算を提示して住宅ローンの事前審査用の見積書の提示までもがスムーズに進めることが可能となります。
これにより優良物件が見つかった時に、申し込むまでのスピードが速まるため、買い逃しのリスクが軽減されます。
もちろん、それぞれを専門の会社に頼むメリットもあるので一概には言えないのですが、これを機にワンストップで提案できる会社も検討の範囲に加えて相談してみると良いでしょう。
3. ワンストップ会社の特徴を見極めよう
物件選びやリノベーションに関するこだわりが整理出来たら、物件の購入からリノベーションまでをワンストップで提案できる会社にいくつか相談してみましょう。
ワンストップで対応できる会社もそれぞれに特徴があります。
大きく3つに分けるとすると、
① 不動産仲介事業がメインでリノベーションも行っている
② リノベーション工事がメインで不動産仲介を行っている
③ どちらもメインとして行っている
最初のうちはいろんな会社に行ってみて、それぞれの会社の特徴や担当者の話を聞いてみるのが良いでしょう。
意外と③の会社は少ないはずなのですが、担当の方に「どちらも得意です!」なんて言われると判断に迷ってしまいますよね。
それぞれの会社には必ず得意分野があるはずですので、しっかりとヒアリングしてみてください。…
満足度95.8%!中古マンションリノベーションで納得の住まいを手に入れるためのポイント!
中古マンションを購入し、リフォーム・リノベーションを施して居住する方が増えています。
新築に比べると、居住者の価値観やライフスタイルに合った住まいを比較的手の届きやすい価格で手に入れられることから人気を博しているようです。
しかし、アットホーム(株)が行った「中古住宅のリノベーション実態調査」によれば、中古マンションを購入してリノベーションした方のうち「新築を検討していた」と回答した人は12.3%にとどまりました。
新築をあきらめて中古リノベーションを選択している割合は低く、むしろ主体的・積極的に中古マンション+リノベーションを選択していることが分かる結果と言えるでしょう。
この記事では上記調査の結果から、中古マンションを購入してリノベーションを施す際の注意点について考えてみたいと思います。
<中古住宅のリノベーション実態調査概要>
・調査対象/過去 5 年以内に中古住宅を購入し、リノベーションをした全国の 20 歳以上の男女 309 名
・調査方法/インターネットによるアンケート調査
・調査期間/2019 年 10 月 25 日(金)~10 月 28 日(水)
・調査回答者/
中古マンション購入者 | 中古戸建て購入者 | |
男性 | 87名 | 67名 |
女性 | 82名 | 73名 |
合計 | 169名 | 140名 |
※リノベーションの定義について
本調査では、リフォームとリノベーションの定義を回答者に提示し、「リノベーション」を実施したと回答した人のみに回答。
・リフォーム:老朽化した建物を新築の状態に戻すこと
・リノベーション:大規模な工事を行い、住まいの性能を新築の状態よりも向上させたり、価値を高めたりすること